皆さんこんにちは。
自然派薬剤師で3児のパパ、かめです。
本間良子先生の著書、「アトピーが消えるたった一つの方法」という本を読み終えたので、
私見も交えてアウトプットです。
ヒスタミンコントロールで、最高の自分になる!
本ブログでも主張してきましたが、本間先生も「アトピーは皮膚の病気ではない」と断言されていました。
本書のポイントはただ一つ。
アトピーの人は、アトピーの原因であるヒスタミンをコントロールできさえすれば、もともとの才能であったクリアな思考を取り戻し、最高の肌と最高の頭脳を備えた自分に出会える、というものです。
それはどういうことか。今回もアトピーについて、切り込んでいきましょう!
まず、アトピーとは皮膚の病気ではありません。体内で起こっている炎症が、皮膚に現れるという形の病気です。
最新の遺伝子検査「SNPs」によって、アトピー体質=体内でヒスタミンが分解しにくい人、という事実が明らかになりました。
しかし、ヒスタミンが多過ぎることは害になりますが、ヒスタミンが多いことは害ではありません。「過ぎたるは及ばざるが如し」というやつです。
ヒスタミンは、アトピー・アレルギーの世界では悪者にされがちです。しかし、ヒスタミンは体に必要だから存在しているのであり、様々な機能を持っています。
このヒスタミンをコントロールすることによって、あなたは自分史上、最高の自分に出会えることになるでしょう。
ヒスタミンをコントロールすると、なぜ最高の自分に出会えるのか?
では、ヒスタミンをコントロールすると、なぜ最高の自分に出会えるのか。
それを理解するには、もともとヒスタミンが持っている様々な機能に目を向ける必要があります。
ヒスタミンは、体の中で何をしているのでしょうか?
ヒスタミンは、胃・心臓・皮膚・腸・脳などの場所で活躍しています。本当にいろいろな場所で働いているのです。
ヒスタミンが適切な量であった場合と、ヒスタミンが多すぎた場合に、それぞれの場所で何が起こるのか、少し説明していきます。
○ヒスタミンが適切だと
- 胃→食欲増進、消化力アップ
- 心臓→運動機能アップ
- 皮膚、腸→バリア機能アップ
- 脳→脳神経の伝達力アップ、頭がクリアに
人にとって必要不可欠な感じです。
ヒスタミンは、有名なアップ系のホルモンであるアドレナリンと、かなり似た働きをしています。
なので、このヒスタミンを抑える薬を飲むと、眠くなってしまうんですね。
では、ヒスタミンが多すぎた場合、何が起こるのか?
○ヒスタミンが多すぎると
- 胃→胃酸の出すぎで胃痛や吐き気
- 心臓→動悸
- 皮膚→かゆみ、発赤
- 腸→食物アレルギー、過敏性腸症候群
- 脳→頭痛、めまい、イライラ、不眠、不安
このような、行き過ぎた症状が出てきます。
つまり、ヒスタミンが多くなりすぎないようにコントロールすることができれば、とても快適で健康的な生活が送れることがわかります。
ヒスタミンをコントロールするには?
ヒスタミンをコントロールするにはどうしたらいいのでしょうか?
本書で紹介されている手段は2つ。
1つ目は、ヒスタミンを放出する免疫細胞、「マスト細胞」をコントロールすること。
2つ目は、ヒスタミンを多く含んでいる食品を避けることです。
順に見ていきましょう。
まずは1つ目。マスト細胞のコントロールです。
マスト細胞は、外からの刺激に反応して、ヒスタミンを出すことがわかっています。ヒスタミンを出すことで、外敵の侵入を知らせたり、撃退したりします。
ヒスタミンを余分に出さないためにはどうしたらいいのか。それはつまり、マスト細胞を余分に刺激しないためにはどうしたらいいのか、を考えなくてはなりません。
マスト細胞を刺激する要素は、フリーラジカルと呼ばれるものです。フリーラジカルの一種である活性酸素は、使いきれなかった酸素が体内で変性してしまったものです。この活性酸素が多すぎることが、特に体に害をもたらします。
活性酸素も悪者にされがちです。しかし、これも適量であれば、体を守る方向に働いてくれます。
活性酸素は、体内にウイルスや細菌が侵入しようとしたとき、それらを退治する免疫の役割を担っています。免疫細胞である白血球を助けて抗菌作用を発揮し、私たちを守ってくれるのです。
しかし、これも過剰になると話は別です。
活性酸素は、非常に不安定な物質で、何かにくっついて安定な状態になろうとします。そして、何かにくっついたときにその相手から電子を奪い、自分が安定化します。
その時に電子を奪われた側、例えば酵素や細胞などは、無理やり自分の電子を取られてしまったために壊れ、別の何かになってしまいます。これが「酸化」です。
酸化されるのが細菌やウイルスなどなら体にとって良いことですが、例えば体内の酵素や細胞が酸化れてしまった場合、その機能がものすごく落ちてしまうことがわかっています。体の中に活性酸素が多いと、身体のいろいろな場所で酸化が起こり、身体の機能が落ちていくのです。
体の中で処理しきれなかった酸素が変性してしまい、活性酸素になってしまう話は先に述べました。
酸素の変性の原因は、紫外線、ストレス、喫煙、飲酒、過度な運動などです。これらをできるだけ避けましょう。
そして、食品の中にも酸素を変性させてしまうものが存在します。
それが、揚げ物やマーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸です。このトランス脂肪酸については、食べても体に何のメリットもないことが既に分かっています。積極的に避けていきましょう。
それでは2つ目、ヒスタミンを多く含む食品を避けること、です。
そもそも、我々アトピー患者はまず、ヒスタミンは体に悪いという先入観を取り払わなくてはいけません。ヒスタミンが体に必要なものであるということをしっかりと認識し、受け入れる必要があります。
その上で、ヒスタミンが過剰にならないようにコントロールする。そうすれば、我々の体はもっと強く、頭はもっとクリアになるのです。
それでは、アトピー患者がコントロールするべき、ヒスタミンが多い食品について見ていきましょう。
一般的には、発酵食品はヒスタミンレベルが高く、生鮮食品は低レベルです。
しかし、おおまかな食品の種類ごとにヒスタミンの量を決めてしまうのは、とても難しいのです。例えば、表示は同じチェダーチーズであっても、熟成期間や貯蔵時間、また添加物の有無などで、食品中のヒスタミンの量は変化します。また、キムチなどの発酵食品の場合は、どのような種類の乳酸菌が含まれるかによっても、ヒスタミンの量が変わります。全てが高ヒスタミン食というわけでもないのです。
それを踏まえた上で、ヒスタミンの量が多いとされる食品を挙げていきます。
- チーズ・ヨーグルトなどの発酵乳製品
- キムチ、ぬか漬けなどの発酵野菜
- ピクルスなど酢漬けの野菜
- ソーセージやサラミ、生ハムなど、塩漬け肉製品や燻製肉製品
- ワインやビールなどの醸造酒
- 醤油、納豆、味噌などの発酵大豆製品
- トマト、ナス、ほうれん草、アボカド、パパイヤ、マンゴー
- 冷凍の魚、塩漬けの魚、イワシやツナなどの缶詰の魚
などです。
特にアボカド・トマト・マンゴー・パパイヤなどは「南米の呪い」と呼ばれているようです。
上に挙げたものは一例ですが、一般的には健康に良いとされる食品が多いことに驚きます。
特に醤油や味噌など、日本の伝統的な発酵調味料にヒスタミンが多く含まれているようです。
発酵大豆製品は日本人として気になるところですが、ダントツにヒスタミンが多いのは醤油で、味噌や納豆はその数十分の一のヒスタミン量と言われています。
ただ、この本はヒスタミンの多さでしか食物の紹介をしていないので、ヒスタミン以外の視点からも食物を見て、総合的に判断する必要があると思います。
野菜も肉も、いろいろな地域で発達してきた調理法も、何かしら利点があってその場所に存在し、育まれ受け継がれてきたはずですからね。
今回のまとめ
それでは、今回のまとめです。
まずは、ヒスタミンは体にとって必要なものであるという大前提を理解しましょう。その上で…
- マスト細胞を刺激するとヒスタミンを出す。マスト細胞を刺激する活性酸素を減らそう!
- ヒスタミンを多く含む食品を減らそう!
ということです。
ただ、上にも書きましたが、ここで紹介した食品は、ヒスタミンのみに着目しています。ビタミン・ポリフェノール・カロテノイド・フィトケミカルなど、身体に良いとされている他の栄養素については考えられていませんでした。
例えば、南米の呪いとして紹介されたトマトには、抗酸化作用の強いカロテノイドである、リコピンが多く含まれています。
ヒスタミンを多く含む食品であると同時に、活性酸素の発生は抑えてくれる食品とも言えるわけです。
このように、他に含まれる栄養素のメリットも考えながら、食品を選んでいく必要があるでしょう。
ただ、トランス脂肪酸に関してだけは、メリットが何もありません。市販の、ポリ袋に入っているタイプのパンは、ほぼ間違いなくマーガリンもショートニングも入っています。避けるのが無難でしょう。コンビニでパンを買おうと思ったら思いとどまり、バナナを買う、くらいにしておいた方が良いでしょう。
ま、そもそもコンビニに近寄らなければいいんですけどね。
アトピー体質の人は、もともと頭がクリアな人!
ヒスタミンをコントロールし、最高の自分を目指しましょう!
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